第4話 青天の霹靂!衝撃の宣告

主治医の部屋に呼ばれた私。

手術の成功に浮かれてルンルン気分でいた私に主治医が放った言葉は、あまりに衝撃的なひと言だった。

「落ち着いて聞いて下さいね。頭開手術は成功し、頭の中に溜まった血液は抜けました。ですが。。」


お母さんは、もう2度と歩くことは出来ません



頭をハンマーでガツン!!

と殴られたかの衝撃であった。


「え?は?どういうこと??手術成功なら治るはずでしょ?リハビリすれば元の母に戻れるはずよね??」


私は医師の言葉がどうしても信じられずに尋ねた。


「なぜですか?成功したなら元に戻れるはずですよね?リハビリすれば…」


私の言葉を遮る様に医師は言った。


「お母さんは右脳内に大量の出血がありました。普通なら助からない程の出血量です。何とか一命は取り留めましたが出血が多かった為、脳のダメージは大きく一度死んだ脳細胞は2度と元には戻らないので。。お辛いでしょうが現実を受け入れて下さい」


私はそれでも食い下がる。


「でも先生、もしも歩けなくなったとしても車椅子がありますよね?車椅子なら生活出来ますよね?」


先生は淡々と言った。


「自力で車椅子を操ることも難しいでしょう



私の心は一気に奈落の底まで転がり落ちた。。。

あんなに元気だった母が…血圧は高かったものの、それ以外どこも悪くなく滅多に風邪も引かなかった母が…

もう2度と自分の足で歩けないだなんて。。

いや車椅子ですら、自力で操作が出来ない身体になるだなんて。。

それでも私はまだ医師の言葉を信じられずにいた。

嘘を言ってるとは思わなかったが、 頭のどこかで


【医者というものは病状をオーバーに伝える】


と思っていたのかもしれない。

いや、そう思い込みたかったのだと思う。


【先生はあんな事言ってるけどそれはごく一部の例だよね。】

【お母さんはきっとまた元気になって元の生活に戻れる時が来るはず】


そう思うのと同時に、母に何て言おう。。と思った。

医師の言葉をそのまま伝えたら、母は生きる希望を失ってしまうだろう。

最悪の場合、死にたいなんて言い出すかもしれない。

もしかしたら、これからが大変なのかもしれない。

迫り来る危機の予感に、身体が震えた。

※これは全て、実話です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次